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【第1回】家づくりやリノベーションのパートナー選び講座 家づくりパートナーの特徴編
今日は家づくりやリノベーションをするにあたって選ぶことになる、
建築家・ハウスメーカー・工務店のそれぞれの特徴などをを3回にわたってご説明したいと思います。
家づくりやリノベーションの際の参考になれば幸いです。
まずはそれぞれのご説明からです。
【建築家】
「デザイン的に優れた家を建てたい」「生活動線や空間が計算された美しい家に住みたい」といった方に最適なのが建築家の家です。
設計の自由度が最も高くお施主さまの希望を最大限反映させた家を建てられます。
建築家からのさまざまな提案からは、お施主さまが想像していたものよりもよい提案がでてくることでしょう。
家づくりの最大の楽しみである家の間取りや仕様などの打ち合わせ作業がもっとも綿密に出来るメリットがあります。
【ハウスメーカー】
企画された家の場合などが多いのであまり特徴がないが安定した規格の家が出来ます。
ハウスメーカーごとに「○○構法」「○○ハウス」などの独自商品があり、工期も短めです。
専属の営業マンなども配置して家づくりの希望者への営業活動もかなりしっかりしています。
【工務店】
建築家は設計・監理のみですが設計・施工・監理を一貫して引きうけて建てることが出来ます。
大工さんを含め数人単位で経営している工務店から全国に展開していたり建売事業もしていて
年間数百棟単位で建てている大規模な工務店まで幅広く、特徴もさまざまです。
次に、様々な面でのそれぞれの比較をしてみましょう
【情報収集の方法】
建築家
ホームページや建築家のイベントなどで情報収集。
ホームページがあれば過去の事例で建築家の傾向を把握し、
まずは無料相談からという建築家がほとんどですので、一度訪問して話をしてみましょう。
ご自身での情報収集と分析が必要です。
ハウスメーカー
ホームページのほかに、住宅展示場などに行けば専属営業マンなどが案内してくれますので、
比較的容易に情報収集が出来ます。
工務店
ホームページや独自のモデルハウスなどで情報収集します。
工務店はそれぞれ特徴が異なりますので担当者や過去の事例で家の特徴の把握などから、
自身にあった工務店を選んでいきます。
【設計力】
建築家はこの設計が主な仕事です。施主のこだわりの要望などを具体的に取り入れるのはもちろんのこと、
狭小地や傾斜地などの敷地に合った提案や古い建築をよみがえらせるリノベーションの提案、
思いがけない通風や採光、施主さまの住み心地の追及された生活動線への配慮など個々の施主さまや
土地気候風土に合わせた設計をしてくれます。
設計力:高
ハウスメーカー
最初にあらかじめある程度決められた規格住宅があり、そこから土地に合わせたり、仕様変更やオプションを
追加していって設計を決めていくのが一般的です。あらかじめ工場などで規格された部材を使うので、
設計に関しては融通がきかない場合があります。
設計力:低~中
工務店
設計のレベルに関しては工務店によってばらつきがあります。一級建築士が何人もいる、あるいは非常に
経験豊かでデザインにこだわった設計士がいるという工務店がある一方で、その逆もあります。
ただし、近年の傾向として工務店の特徴を活かした設計をしっかり提案できる工務店が増えています。
設計力:低~中
【工期】
建築家
設計の打ち合わせ回数に基本的に回数制限がない為、週末などに設計打ち合わせをし、それの見積りなども
出しながら綿密に練り上げていくため設計期間が長く、設計後もこだわりの住宅になるため工期も長い。
工期の目安:設計:3~10ヶ月 施工4~10ヶ月程度
ハウスメーカー
規格住宅での組み合わせなどの場合は設計期間も短い。また契約ありきなので急かされる場合もある。
「3月までの契約なら○○を無料で取り付け!」などと仕様のグレードアップなどと抱き合わせで契約を迫る場合が多い。
この場合はハウスメーカー内部での売上目標などの都合が作用している可能性が高い。
工期の目安:設計:1~3ヶ月 施工3~6ヶ月程度
工務店
設計が短ければ全体の期間も短縮されますが、設計の内容や工法によってまちまちです。
現場の大工さんも普段から同じ工務店で建てている場合が多く、現場の安定感があるのも特徴です。
工期の目安:設計:1~3ヶ月 施工3~6ヶ月程度
【敷地条件】
建築家
困難な敷地条件でも対応力が一番高いのが建築家です。
TVで見るような狭小地の家や傾斜地の家などは大概は建築家が設計した家といってよいでしょう。
また、室内の空間設計や採光・通風の採り方も巧みなので敷地条件が厳しいほど建築家の出番と言えます。
敷地への柔軟度:高
ハウスメーカー
規格住宅で家を建てる場合が多いので、柔軟な敷地条件への対応が難しい場合があります。
もし対応できたとしても自由設計になり規格品が使えず割高になる場合も。
総じて狭小地や傾斜地なども得意ではありません。
敷地への柔軟度:低~中
工務店
工務店が得意とすることが多い在来工法は敷地への柔軟性が高いです。ただし、設計の内容は
やはり工務店ごとによって得意不得意があるので、工務店といっても一概にくくれない部分があります。
敷地への柔軟度:中~やや高
【施工監理】
建築家
設計がしっかり反映された施工になっているか、セカンドオピニオン的に工事を監理するのでもっとも
綿密に工事が無事に進行しているかチェックされます。もっとも手抜き工事に対するチェックがされるといえます。
施工チェック度:高
ハウスメーカー
基本的に下請け業者の現場監督がチェックします。同時に何箇所も現場監督を兼任している場合が多く、
現場監督の質が同質ではない場合があり、チェック体制が万全かは親会社であるハウスメーカーがいかに
事細かく指示を出しているかなどに因って来ます。
施工チェック度:低~高
工務店
設計と施工が同一の会社になるので設計部門と施工部門がしっかりそれぞれをチェックする体制になっているのか
注意する必要があります。通常は、設計と施工がしっかり分かれている工務店であれば施工監理体制もしっかりしている
と考えられます。
施工チェック度:低~高
【工事費用】
建築家
施工は建築家が普段使う工務店に依頼する場合がほとんどです。
また、建築家の家でも家の仕様をどうするかで価格のばらつきが一番大きいのが特徴です。
目安の坪単価:60万円~120万円以上
ハウスメーカー
家の部材などはあらかじめ規格製品化して大量生産しますので安くなります。
その家の価格にCMやモデルハウスなどの宣伝広告費などの経費が乗ります。
価格は建築家の家と同等程度と考えて下さい。
目安の坪単価:60万円~120万円以上
工務店
地場で長年営業している工務店は独自の資材入手ルートを開拓している事なども多く、
木材などの地産地消の需要の高まりなどからハウスメーカーより工事費は割安です。
目安の坪単価:40万円~80万円程度
【アフターフォロー】
建築家
建築家によって対応はまちまちですが、一般によい建築家ほどアフターフォローもしっかり対応してくれます。
ハウスメーカー
アフターフォローの万全をうたい文句に集客していますので、アフターフォロー体制も万全のように
体制自体は整っています。しかし、実際は施工地のエリア担当になる方の性格にかかっている部分もあります。
また、リフォームなどを見込んで定期的に連絡が来る場合もあります。
工務店
一般的に地場で長年やっている工務店はその地域で評判が下がると受注の低下に直結するのでアフターフォロー
もしっかりやってくれます。定期的に営業に来るというよりは何かあれば連絡して対応してもらうというスタイルが多いです。
また、ちょっとした手直しやイスを作りたい、ウッドデッキを付けたいといった造作物の依頼などに細かく対応してもらえます。
以上、建築家・ハウスメーカー・工務店の特徴を書いてみました。
参考にしていただけましたら幸いです。
明日以降は2回に分けて建築家と工務店との話しの進め方などをご紹介致します。
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